マネージャーに全てを決められたくない vs マネージャーには答えを持っていてほしい問題について
Engineering Manager Advent Calendar 2023 7日目の記事です。
結論ファーストで書きます
マネージャーは答えを持っていません。
大事なことなのでもう一度言います。
持っていません。
この問題ってそもそもなに?
細かくみてみましょう。
マネージャーに全てを決められたくない
マネージャーがHowまで決めてくるケースや、現場チームが決めたHowに対して口出ししてくるようなケースにおいて発生する事象です。
ものによってはWhyやWhatまで現場で考えたいんだ、というケースもあるかもしれません。
「私考える人、あなた作業する人」を越えて、プロダクトマネジメントがあたりまえになるチームを明日から実現していく方法/product management rsgt2023 - Speaker Deck
こちらのスライドにあるような「私考える人」的な動きになっているマネージャーは、Howはやらずとも現場の自己組織化を阻害している可能性もあります。
マイクロマネジメントは論外として、マネージャーが何から何まで決めるということに対して違和感を持つチームもあるのではないかと思います。
抽象化して考えると、チームのケイパビリティの見積もりを見誤り、デリゲーションが合意できていない場合にこのような問題が発生しているのではないかと思います。
うまく噛み合っている例では、
このようにチームのケイパビリティに対してチームのやっていることが一致している例です。
噛み合わない例でいうと、実際にやることややりたいことがバッティングする例です。
マネージャーとしてはチームのケイパビリティを考慮してその少し外側を守備範囲にするとよさそうです。
マネージャーには答えを持っていてほしい
一方で、マネージャーには答えを持っていて欲しい!という声もあると思います。
なぜこれをやるんですか?会社の状況は今後どうなりますか?今のチームはこの先どうなりますか?・・などなど。
マネージャー視点では、Whyを自分の言葉で話せるようにするということは非常に重要な要素ではあると理解しつつも、正直あまり見えていないこともあるのではないかと思います。
組織を動かすために一定蓋然性のある戦略を力強く発信するケースもありますが、実際にはやってみないとわからないことだらけなのです。
だから、この先どうなりますか?と聞かれてもなかなか回答が難しいケースもあるかと思います。
じゃあマネージャーがやっていることって何なの?というと、
「現場の情報をかき集めて蓋然性の高い方向性を示す」
ということかなと思います。
この「方向性を示す」ことと「答えを持っている」ことが混同されやすいのです。
だから改めて言います。
マネージャーは最初から答えを持っていることはほとんどありません。
しかし、一つ意識しておきたいことは、答えに辿り着くための思考は誰よりもすべき、ということは言えます。
戦略というのは最も考え抜いた人が一番いいものを出せると思います。
「マネージャーだから答えを持っているだろう」という期待には応えられないですが、「マネージャーだから一番考えているだろう」という期待には応えるべきだなと思っています。
理想的には、現場もマネージャーも具体から抽象までのケイパを備えており、効率的な役割分担としてデリゲーションが整理されている状態が理想かなと思います。
また実際にはWhatやHowは不確実性にまみれているため、その点でも一緒に検証を進められるような状態が理想だなと思います。
まとめ
マネージャーあるある?かもしれないネタを取り扱ってみました。
雑にまとめるとチームの状況をみてマネージャーとして発揮するバリューをアジャストするといいんじゃないかな、あとアジャストしか結果も明示的に期待値コントロールしないとダメだよ!ということかなと思います。
これ以外にも一見矛盾したような問いにぶつかることは多いと思いますが構造的にみるとうまく整理できるものもあると思います。
良きマネージャーライフを!