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夫婦のチームビルディング

本記事は子育てエンジニア Advent Calendar 2018の1日目です。

開発においてはまずは何事もチームビルディングからスタートだ、ということで1日目は夫婦のチームビルディングについて考えてみます。

そもそも夫婦とは?

そもそも夫婦とは何なのでしょうか?

日本の民法では第752条にて「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と記されています。
なるほど、たしかに。子育てにおいてもこれは重要な要素であるように見えます。

しかし、どうやったら同居している中で、お互いに協力し扶助しあえるでしょうか?

結婚する前に知り尽くした相手だからそんなことは当然できている?

... 本当に本音で話し合えていますか?
こんなこと言っても通じないだろうから我慢する・・みたいになっていませんか?
価値感の違いは諦めている・・なんてことはないですか?

うちの場合はできている!...と言いたいところですがまだまだできていないことも多いと感じています。

「お互いに協力し扶助しあう」これ自体は良い定義だと思うのですが、どうやってその状態に至るか、いわゆるチームビルディングについては、夫婦では実はあまりちゃんと考えたことがない、という方が多いのではないかと思います。

夫婦のチームビルディングの必要性

家事育児をアジャイルに考えてみる

夫婦のチームビルディングと聞いてまずどんな印象を受けるでしょうか?

yo-iida.hatenablog.com

以前、上記のような話をしたことがあります。
当時私は家事育児についてもアジャイルな考え方がフィットするのではないかと考えていました。家事育児は夫婦お互いに同じだけの責任があり、限られた時間の中で効率よく進める必要があります。また、計画など決めていたこともなかなか思い通りにはならないという不確実性もあります。それに対処し持続的な関係を作るには前提となるチームビルディングが不可欠なのではないかという考えです。

とくに、子供が生まれてからはチームとして動かなければならない時が多くなると思っています。それまでは気楽なもので二人の関係性だけだったものが、急に様変わりして子供に対して夫婦で価値を届けていく構図に変わるからです。

どうやるかは色々なアプローチがあると思いますが、注意するポイントとして「仕事っぽくしない」ということを重要なポイントとしてとらえていました。
言葉で伝えるのは難しく、不要な対立を生む可能性もあるからです。拒絶されてしまうと元も子もないので自然にやっていくのがよいと考えていました。

偉そうな話をしていても喧嘩は起こる

先々月結婚記念日というイベントがあったのですが喧嘩をしてしまいました。

その時のきっかけはこうです。

家の窓が壊れており、先日の台風の際に雨水が吹き込んでくる事態が発生しました。その修理に関する業者とのやりとりを自分が担当しており、週末など手の空いた時間で進めていたのですが、妻はそうではありませんでした。次台風がきた時にまた同じことが起こり浸水などの被害が出たらどうするのか、優先順位を上げて進めるべきではないのかと指摘されました。
正直その当時は仕事が期末で忙しく自分の優先順位としては下がっている状態でした。そんなに言うのであればあなたがやったら?というニュアンスのことを言ってしまいました。妻は呆れて落胆し、自分もなぜわかってくれないのかとイライラしてしまいました。子供にも本当に申し訳なくて最悪の気分でした。

このとき何が起きたかというと、「自分はここまでやればいいと思っている、が、相手は違う基準で違うレベルのことをゴールだと思っている」という期待値のずれが起きていました。

仕事でもありがちな話ですよね。
実際、仕事では組織の課題解決などの話をよくしているのにプライベートでなぜこんな初歩的なことができていないのか。タイミングが最悪で理由はしょうもなくて情けなくなりました。

しかもこれまで何度か似たようなきっかけで喧嘩をしたことがあります。 何度も繰り返しているのになぜ全く改善しないのか、考えた結果ある仮説に至りました。

何かを変えなければいけない。「仕事っぽくしない」は実は間違った解釈なのではないか?仕事っぽくてもいいからちゃんと対話しないとだめなのではないか?

仕事でやっているやり方を家でやってみる

そもそも「仕事っぽい」とは何か。非常にあいまいで解釈的な言い回しです。
仕事でやっているやり方が一番うまくいくやり方ならプライベートでもそうやればいいわけです。

なぜそれをプライベートに持ち込みたくなかったか。
うちの場合は元々妻からプライベートと仕事は違うから一緒にしないでほしいという希望があったからでした。
家族との時間を仕事に使うのはもちろん違います。
しかし、何かの課題解決のためのよりよいやり方があればそれは仕事とプライベートを区別する必要はないのではないかということです。

それから、仕事のやり方がプライベートで適用しづらい理由はもう一つあります。
真面目にやるのが結構小っ恥ずかしい。
これは割と大きな壁です。友達に対してワークショップとかしないです。それは妻に対しても同様です。
でも、それを乗り越えてでもやる価値があるのではないか、妻と子供のためならうまくやらなければならない、そう思いました。

チームビルディングのワークとしては、インセプションデッキやドラッガー風エクササイズなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

その視点で考えてみると、
妻が自分に何を期待しているのか
自分が妻に何を期待しているのか
自分たちはどうなりたいと思っているのか
あまり腹を割って話したことはないな、ということに気づきました。

そこで、そこからまずは話をしてみようとなったわけです。

どうやったか

喧嘩している途中だったのでワークをやる空気ではなかったのですが、何かを変えて考えていく必要性があると伝え以下のワークを二人でやりました。

  • 相手のだめなところ、不満に思っていることを書き出す
  • 相手のいいところ、満足していることを書き出す
  • 相手への期待を書き出す
  • 自分が今後どうなりたいかを書き出す

それぞれ5分ほどで紙に箇条書きにし、そのあと相互に話しながら説明していくというスタイルです。

喧嘩はたいてい期待と相手の行動にギャップが生じたときがきっかけになります。これを埋めて行くためには相手が普段なにを大事にして行動しているのか、を知る必要があります。

このワークの意図は、現状の不満を洗い出すことと、その反面のよいところにも目を向けつつ、未来についてどのような考えを持っているかを明らかにするというものです。そのような状態を作れたら期待とのギャップを相手の目線で考えることができ、前向きな対話になりやすいのではないかと考えました。

結果的に以下のようなアウトプットになりました。

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妻から自分への不満の抜粋

  • 家のことの優先順位が低いと感じる
  • 仕事が忙しいと家にいる時のOffが長くなる
  • やってほしいことを伝えても何週間たってもやってくれていない
  • やるとなると仕事っぽいやり方↔︎やらないのどちらかで間がない
  • やってほしいことを頼むと指示されているようで機嫌が悪くなる

う・・耳が痛い。
言語化すると相当いけてない人のようです。。
でもお互いにきちんと出し合えば受け入れる気になります。

妻から自分へのいいと思っていることの抜粋

  • 子供の面倒は見てくれている
  • キッチンまわりは協力的
  • 前よりも早起きしたり生活リズムを改善しようとしている
  • 喧嘩はするけど話を聞き入れてくれる

自分がまあやれているかなと思っていることはそのように受け取っていてもらえたようです。

何が変わったか

お互いの認識

まずお互いに全部出し合うとそれだけでもスッキリします。
これはこの言語化というプロセスがかなり効いていると感じていて、普段だと口頭で言い合って終わりなのですが、落ち着いて書き出すことで認識が整理される効果がありそうです。

その上で相手が何を感じているのかしっかりと聞くことができます。
一方的に言われるのではなく、自分も伝えるからこそ相手の話も聞けるというものです。

小っ恥ずかしい部分はあるのですが、これをきちんとやるとこれまでよしなにやっていた話がすり合って行動しやすくなります。
やる前はこんなのやりたくないと思っていたようですが、やった後はやってよかったと言ってもらえました。

まとめ

お互いの価値観を改めて言語化してみたり、期待のすり合わせの言語化のワークをやってみるとよいですよ。ぜひ喧嘩する前に! 長い付き合いであればあるほど意外な気づきがあるかもしれません。

ちなみに、妻は後日仕事から帰ってきて「仕事のほうの人間関係的なところも実は夫婦喧嘩の話とそんなに変わらないのかもしれない・・」と言っていました。 ちょっと自分の考え方もわかってくれたのかなと思ってうれしくなりました。

初日から堅苦しいテーマだったかもしれませんが、夫婦のチームワークに悩んだときに参考にしていただけたら幸いです。

明日はmana_catさんです!